「そこなら行ったことあるわ」「こんな桜、知っていた?」と、後々まで話題にして自慢できるようなお花見なら、京北の里にひっそりとたたずむ禅寺「常照皇寺(じょうしょうこうじ)」へ。京都駅からバスを乗り継いで約1時間半。「山岡御陵前」の停留所から、のどかな山里を5分ほど歩いたところ。南北朝時代(1362年)に北朝初代の光厳天皇によって開かれたという古刹です。
常照皇寺 八重桜
境内には国の天然記念物に指定されている樹齢600年余の枝垂桜「九重桜」をはじめ、一つの枝に一重と八重が花をつける珍しさに後水尾天皇が思わず御車をもどされたという「御車返し(みくるまがえし)の桜」、江戸時代に京都御所から株分けされた「左近の桜」と、由緒も趣も深い桜の花がそれぞれの歴史をものがたるように咲き競います。
常照皇寺 桜 見ごろ
開花期は京都の町中から遅れることおよそ十日。花見のタイミングを逃してしまった時にもお勧めの「遅咲きの桜」ですが、開花の時期が微妙にずれるので名桜がそろって満開、というわけにはいかないかもしれません。片や散り桜ということも…でも散り落ちた花びらが苔に映えるさまもまた美しいもの。桜並木のゴージャスな連なりとはひと味違った風情は、きっと心に残ることでしょう。
おまけ情報として、名桜のほかにもう一つ見逃せないのが、総門前で出迎える巨大な紅枝垂れ。こぼれんばかりの紅花を風になびかせる堂々たる一本桜は、はるばる足を運んだ甲斐があったと思わせるほどの見事さです。
営業時間
9時~16時
入場料金
300円以上
常照皇寺アクセス
京都駅からJRバスで高雄・京北線の周山行きに乗車し1時間20分の終点 周山バス亭で下車。
京北ふるさとバス山国・黒田線に乗り換え15分、バス停:山国御陵前下車、徒歩5分
1時間~1時間半に1本程度なので、時刻表をチェックしましょう。
車のアクセス:JR京都駅から約1時間15分。国道162号線経由国道477号線。