大晦日に、除夜の鐘に加えて
珍しい法要に参加できるお寺があります。
京都大学に隣接する知恩寺の、
新年を迎える法要では「百萬遍大念珠繰り」が行われます。
百萬遍大念珠繰り
法要は31日の22時45分ごろに始まります。
一般の参拝者も参加できるとあって、毎年多くの人が詰めかけます。
直前の22時15分ごろからは、
除夜の鐘の整理券が配られるので、
まず整理券を頂いてから法要に参加するのがお勧めです。
法要が始まり、法話をありがたく拝聴したのちに、
いよいよ巨大な数珠を使った「百万遍大念珠繰り」が始まります。
御影堂で輪になって座り、全員で念珠を持ち、
念仏を唱えながら数珠を繰っていきます。
全長110m、重量350kg、珠の数は1080個もある大念珠を、
隣の人に渡し、ぐるぐると回していきます。
「百万遍」とは、元弘元年(1331年)に疫病が流行した折、
後醍醐天皇の勅命で当時の住職が七日間念仏を唱えたところ、
疫病が鎮まったことを受け、
唱えた回数にちなみ後醍醐天皇から賜った称号のことです。
その際に、大念珠も知恩寺に
下賜されたと伝えられています。
以来、念仏を称えながら大念珠を繰る「大念珠繰り」は、
疫病の折などの祈祷に用いられ、
のちに「百万遍大念珠繰り」は全国にも広まっていきました。
法要が終わり、11時45分ごろから、
除夜の鐘撞きが始まり、最後に温かい甘酒がふるまわれます。
胸に染みる法話、心を清める鐘撞きに加えて、
他の参拝者たちと一体となって祈る「百万遍大念珠繰り」の体験は、
新しい年がいつも以上に素敵な年になりそうな高揚感を得られることでしょう。