平安の歌人・西行法師の手植えによる紅枝垂れ「西行桜」の見事さから“花の寺”と呼ばれる勝持寺(しょうじじ)は、洛西・大原野の古刹。西山連峰のふもとに広がるのどかな田園風景のなか、散り椿がいざなう竹林の道を歩き、白壁の石段を上ると風格あるお寺の門にたどりつきます。
四月中旬には紅枝垂れやソメイヨシノなど約400本もの桜が開花し境内一帯がピンク色に染まる、とっておきの遅咲き桜名所です。
勝持寺 由来
680年に役行者によって開かれ、応仁の乱まで49もの塔頭があったものの兵火のために仁王門をのぞいて焼失。
現在の建物は乱の後に建てられました。とはいえ古刹だけに本尊の薬師如来をはじめ平安・鎌倉の古仏が残り、重要文化財が三体。鎌倉時代の日光・月光菩薩像や十二神将像など見ごたえある仏さまがずらりと並びます。境内の小さな池には魚の籠を持って立たれる「魚籃観音」という珍しい観音さまの姿も。西遊記に登場する観音さまだそうです。
勝持寺 桜みどころ
本堂が建つ場所は高みになっており、桜の木々を上から見晴らす形。上から見た花たちを下へ降りて見上げるという、格別なお花見ができるのも、このお寺ならではです。西行桜からさらに降りた所に沼池があり、あたりは楓などの木々や草花に覆われ、桜と相前後してコブシやレンギョウ・山吹などの春花が順々に咲き誇ります。“花の寺”の「花」は西行桜だけに限らず、春を謳歌する花たちの楽園でもあるのです。
K's Dee(ケイズ・ディー)の『京都の寺院』(28)
『勝持寺』南春日町バス停
天武天皇の頃、役小角おづぬともが坊舎を建て薬師如来を安置したのが創始。桓武天皇が最澄に命じ伽藍を建て朝廷の信仰があつくなった。西行が庵を構えていた。 pic.twitter.com/X9eJOt3pt9— ks_dee (@ks_dee_pro) 2016年3月9日
営業時間
9:00~16:30
入場料金
大人 400円
中高生 300円
小人 200円
勝持寺アクセス
阪急東向日駅から阪急バス南春日町下車(終点)
(1時間に1本~2本)
徒歩20分